研究室紹介
薬剤学研究室とは
薬剤学研究室では、薬の効果や副作用に個人差を生じる原因を明らかにし、薬物治療を最適化するため、薬物の代謝・動態を基盤とした研究を進めています。
1)ヒト化動物を用いた薬物動態研究
2)薬物間相互作用・個人差に関する研究
3)新規支持療法適用時の薬物動態評価に関する研究
薬剤学研究室のあゆみ
1985年に緒方宏泰教授が田無校薬剤学教室に着任され、2009年まで、「血中薬物濃度と薬効・副作用とを連結させたPK/PD研究」、「Population pharmacokinetics研究」、これらの研究成果に基づいた「科学的で有効なTDMシステムの構築」等の研究が行われました。その後、高橋晴美教授がCYP2C9やVKORC1などの遺伝子多型解析および人種差(アジア人、白人、黒人)による薬剤応答性の解析から「ワルファリン個別化治療法の確立」が進められました。2020年に小林カオル教授が着任し、LC-MS/MSを用いた微量分析や遺伝子解析の手法を用いて、薬物治療における個体差の発現要因の解明し、薬物治療を最適化するための研究に取り組んでいます。
学部生の方へ
薬剤学(生物薬剤学)は、薬学部ならではの専門領域であり、薬物が体内でどのように吸収・分布・代謝・排泄されるか、そしてその過程でどのような個人差や相互作用が起こるかを探る、非常に実践的かつ奥深い学問です。薬物治療の最適化や新薬の開発に直結するこの分野は、まさに「患者さんの未来をつくる」研究です。私たちの研究室では、薬物代謝と薬物動態を中心に、薬物間相互作用や個人差など、薬剤師として、また創薬研究者として必要な知識と技術を深く学ぶことができます。実際に、多くの卒業生が薬剤師として医療現場や行政で活躍し、また製薬企業等で創薬に携わる人材として成長しています。「じっくり研究したい」「薬の本質を理解したい」「研究室生活を通じて成長したい」そんな思いを持つ皆さんを、私たちは心から歓迎します。薬剤学の世界で、一緒に未来を切り拓いていきましょう。