研究内容

新規支持療法適用時の薬物動態評価に関する研究

抗がん剤治療には多くの副作用が伴いますが、頭髪の脱毛は外見の変化による精神的苦痛を引き起こす重要な副作用です。これまで生命に直接関わらない副作用として軽視されがちでしたが、近年、頭皮冷却による脱毛予防効果が注目され、国内でも医療機器として承認されています。頭皮冷却による脱毛抑制のメカニズムの一つとして、局所血流の低下による頭皮中の抗がん剤濃度の減少が考えられています。しかし、実際の濃度変化や個人差、薬剤ごとの効果の違いについては十分に解明されていません。当研究室では、薬物動態の基礎的検討と生理学的薬物動態モデルを用いた定量的評価を通じて、頭皮冷却による抗がん剤濃度の変化を明らかにし、より効果的な冷却条件の確立を目指しています。これにより、脱毛予防の精度向上と、患者さんのQOL向上に貢献することを目指しています。